葬られた王朝 古代出雲の謎を解く
 梅原 武   新潮社    ¥2200
2010/11


 大国主命と素戔嗚尊 が登場する 古代出雲の歴史。
 「古事記」「日本書紀」などと共に架空の伝説物語として位置づけられ、
 これまでは史実との関係が明確でなかった。
 しかし、それは伝説上の架空の物語でないことが、この10年の現地
での発掘が進んで 証明されるようになった。日本最大の高さの塔。
数多くの刀剣などが出現。

特に現地に建っていた「出雲大社の本殿」の存在が巨大な柱が出現し
て出雲が現実のものとなった。
後は歴史上の「記・紀」物語といかに結びつけるかが求められていた。
それを 梅原武 という人がこの書で説き明かしている。
 時は紀元700年頃、平城京が建設されるとき、同時に出雲地方の
支配者が大和政権に服従し、支配された出雲の怒りを収めるために
本殿建設が行われた、という。
 この支配された土地の怒りを静める儀式、或いは神社建設は当時
の習慣だったようだ。
 当時日本一の建設物はこの出雲の塔で2番目が奈良の大仏殿、
3番目が京の朱雀殿という。
 また記紀を書いた意味は「藤原不比等」がその後の1千年の家の
地位を揺るがぬものにするために、創作されたと書かれている。
以降藤原家は平家が台頭する1200年頃まで天皇家と姻戚関係を
繰り返し、実質上日本を支配する。
  恐ろしいほどの推測、考察で、私は歴史の事実と合致すると理
解しました。
 記・紀は、戦前はその物語を日本の天皇を権威づけるために作文
された、と考えられてきた。天孫光臨。
 戦後は逆にすべては空想にすぎないとする見方が広まった。
 梅原氏も一時この説に傾いたようだ。しかし最近の発掘を見て彼は
このような見方を否定し、記・紀は史実であり、誰を利するためである
か、までを掘り下げた。
 日本の歴史を解明する大きな足跡を残す書と思う。
 

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